ニュージーランド旅行記(後編)

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10/26(金) フランツジョセフ氷河観光

1026-01.jpg(41490 byte) 早起きして出かける予定が寝坊してしまい、9:30に目が覚める。 急いで朝食を食べて10:00に出発。 今日も天気が良くない。

バス通りを少し戻った後、川沿いの林道で奥へ入ってゆく。 このまままっすぐ氷河の末端へ行って、氷河の上を歩くこともできるが、 氷河の全容を見たかったので展望台の方へ行くことにした。 標高1303mのAlex Knobへ向かう。往復8時間、標高差約1150m。 出発が遅かったこともあって少々きついが、せっかくだからがんばってみることにする。

1026-02.jpg(67081 byte) ウォーキングが盛んなだけあって、要所要所にしっかりした道標が立っている。 道に迷う心配はない。

1026-03.jpg(33456 byte) 緩い登り坂をしばらく歩くと、Lake Wombatへ出る。 何の変哲もない湖だが、静まり返っていて何の音もしない。 今日一日、ここでのんびりしているのも良いかも知れない、 とも思ったが、氷河も見たいので先へ進む。

ここから先は、Alex Knobまできつい登りが続く。 30分ほどがんばって登ってみたが、早くも雲の中へ入ってしまい、 まわりは真っ白。雨もぱらついてきた。 雨具はあるので雨に降られるのは良いとしても、 せっかく展望台へ行って何も見えないのも悲しい。 引き返して、標高の低いもう一つの展望台、Roberts Pointへ行くことにした。

来た道を戻ってRoberts Pointへの入り口へ着いたのは13:15。 道標によれば、Roberts Pointは往復5時間かかるとのこと。 こちらもあまり近くはないが、傾斜は緩やかなはずなので何とかなるだろう、 と早足で歩く。意外とアップダウンが厳しい。途中5組ほどとすれ違う。

1026-04.jpg(51592 byte) 2時間弱でRoberts Pointへ到着。 着いたときは霧に覆われて何も見えなかったが、 昼食を食べながら待っていると、霧が晴れて氷河が見えてきた。 下から見る分には、北アルプスの大雪渓と同じに見えるが、 あの先もずっと奥まで続いているのだろう。 今年は夏山に行っていなかったので、 太陽に照らされてキラキラ光る氷河の景色に感動した。 下の方を見ると、氷河を歩くツアーの列がいくつか見える。

もしまっすぐここへ来て昼頃に着いていたら、 霧で何も見えなかったことだろう。寄り道して良かった。 時間が遅いこともあり、他の人はみんな下りてしまったので、 展望台を独り占めである。

1026-05.jpg(40570 byte) 一時間ほど氷河を眺めた後、元の道を引き返して宿へ向かう。 途中激しい夕立に降られたが、林道まで下りるとすっかり晴れて良い天気になった。 氷河の先にあるマウントクックの白い山並みがきれいに見える。

1026-06.jpg(36021 byte) 今晩の夕食はフィッシュ&チップス。 ワインやビールを飲んでいる人がいたのでその店に入ったのだが、 そこはBYOの店だった。BYOとは"Bring Your Own"の略で、 「アルコール類は許可を得ていないので売れないが、持ち込みは可」 ということだそうだ。運動の後でビールを飲みたかったのだが、 またしても飲みそこなう。

宿へ戻り、昨日スーパーで買ったワインを空けて、寝る。

本日の支出(NZ$1 = 約61円):

夕食 NZ$ 13.75
翌日の朝食(キッシュ、サンドウィッチ、ジュース) NZ$ 8.80


10/27(土) フランツジョセフ→クライストチャーチ

今日は9:30発のバスでグレイマウスへ向かう。 バス停へ行くとTAY夫妻が既に待っていた。 バスは、隣のもう一つの氷河村、フォックスが始発だ。 そのバスに、もう一組のシンガポール人の若夫婦が乗っていて、 TAYさんから紹介してもらった。彼らは医者夫婦 (確か、旦那さんが歯医者、奥さんが小児科医)なのだそうで、 ハネムーン旅行中とのこと。二人とも頭が良さそうだ。 年は36とのこと。中国系なので若く見える。人のことは言えないが。

1027-01.jpg(73145 byte) フランツジョセフから北へ進むと平地が多くなり、ところどころに集落がある。 昼食で寄ったドライブインの隣に、鹿の牧場があったので、撮ってみる。 一昨日の晩はごちそうさま。

途中の停留所で日本人女性が降りたので、発車までの間、少し話す。 1年間のワークホリデーで北島で働いていて、南島へ旅行で来たとのこと。 「ワーホリ」とか「バッパ」(バックパッカーズのこと)とか、 専門用語がいろいろ出てくる。 バスへ戻ると、TAY氏にワーワー冷やかされる。 「何で指輪を外していかなかったんだ?」とかとか。にぎやかな人だ。

グレイマウスでバスを降り、ここからは TranzAlpine Express という観光鉄道でクライストチャーチまで向かう。 列車の運行が30分くらい遅れているらしく、待合室でしばらく待たされる。

TAY氏のラジオのイヤホンが壊れたらしく、分解して修理を始めるが、 結局元に戻らなくなって失敗。二人で大笑い。 「大丈夫だ。次がある!」といって取り出したのは、 ニュージーランドエアの機内ヘッドフォン。 こらこら、持ってきちゃだめだよ。

1027-03.jpg(43612 byte) 列車は指定席だったので、みんなとは別れて一人車窓の景色を楽しむ。 車内はすごくきれいなのだが、 窓ガラスが汚れていて外がきれいに見えなかったのが残念。
1027-02.jpg(43258 byte) 列車は、山を登ってゆき、東西を隔てる峠にあるアーサーズパス駅でしばらく停車。 その後、峠を下りると平原の中を疾走し、夕方にクライストチャーチに到着した。

1027-04.jpg(9185 byte) TAY夫妻たちと夕食を一緒に食べようということになったので、 宿(3日前に泊まったYMCA)へチェックインした後、町の中心部へ。 TAY氏の案内でタイ料理屋へ行く。

とにかくよく飲んで、よく笑った。たぶん、 ワインを5本くらい空けたのではないかと思う。 その後、TAY氏のホテルのロビーで、また飲む。 TAY氏にタクシーに乗せられた気がするが、 そこから先はあまり記憶がない。

本日の支出(NZ$1 = 約61円):

コーヒー NZ$ 2.00
マウスパッドと絵葉書 NZ$ 15.40
昼食(列車内でカレーライス弁当) NZ$ 7.80
YMCA NZ$ 40.00
タクシー NZ$ 5.00


10/28(日) クライストチャーチ→シンガポール

朝、起きたのは9時くらいだろうか。意識がもうろうとしている。 昨晩、よく部屋までたどり着いたものだ。 部屋のドアの下にメモが置いてあった。TAY氏からだ。 「電話を待ってる」と、ホテルの電話番号が書いてある。 無事かどうか心配してくれているのだろう。

取りあえずシャワーを浴びようと廊下へ出ると、掃除中だった。 昨晩のかすかな記憶で、シャワー室のトイレでいっぱい吐いた気がする。 もし汚していたら合わせる顔がないので、 掃除が終わるまで部屋で息を潜めていた。

チェックアウトして、公衆電話からTAY氏へ電話。 「部屋へ来なさい」とのこと。 今日はニュージーランド最後の日だが、 もはやどこへ行く気力も無いので、TAY氏のホテルへ。

昨日は楽しかったねー、などと話しながら、 部屋でコーヒーとスープをご馳走になる。 それと、「迎え酒だ」と言っていたかどうかは忘れたけど、ビールもご馳走に。 ホントに酒好きな人だ(でもJapanese Sakiは苦手らしい)。

1028-01.jpg(48588 byte) しばらく部屋で休んだ後、昼食がてら、外へ。 TAY夫妻は出発までの間、私に付き合ってくれた(写真は、中央広場の教会にて)。 ちなみに、昨晩の夕食から今日の昼まで、全部TAY夫妻のおごり。 本当にTAY夫妻にはお世話になりました。

そろそろ行かないと、と促されてTAY夫妻とお別れの挨拶。 タクシーで空港へ向かった。 TAY夫妻は、翌日の飛行機でシンガポールへ帰るとのこと。 空港ででも再会できれば良かったのだが、あいにくTAY氏の便は、 私の日本行きの便がシンガポールを出発した後に到着する便だった。 後日、聞いた住所宛に日本から手紙を出したのだが、連絡は取れず。 残念ながらそれっきりになってしまった。

空港へ到着してメーターを見ると、なんと残金ギリギリだった。 支払いをしたら45セントしか残らなかった。危なかった。 空港のロビーへ入ると、カウンターは大混雑。 おまけに、リュックを開けて中身を見せろと言われてしまう (リュックの背中に入っている金属の支柱がX線検査で引っかかったらしい)。 出発まであまり時間の余裕が無いのに! これで一気に目が覚めてしまった。 ようやく搭乗手続きが終わったと思ったら、あっちで空港税を払ってね、 とのこと。もう残金ないよ! でもこの支払いはカードが使えたのでセーフ。

搭乗手続きがギリギリだったので、Window/Aisleも聞かれず、 席は中央4列の真ん中だった。 左は秋葉原をうろついてそうな怪しいアジア系の男性。コーラばかり飲んでいる。 右はしょっちゅうモゾモゾ動いてヒジをぶつけてくる黒人。 気になって眠れない。シンガポールまでの9時間、我慢して過ごす。

シンガポールへは日が暮れてから到着した。 入国審査はいたって簡単。駅の改札みたいなところで何も聞かずハンコを押すだけ。 「あれあれ?」という間に外へ出てしまった。 空港のインフォメーションでホテルの予約を頼むと、 「この中から選んで」とホテルリストと値段の一覧表を見せてくれる。とても便利。 ニュージーランドで医者夫婦が勧めてくれた Hotel Grand Central が載っていたので、そこに決めた。

地下から出ている市バスでホテルへ向かう。 シンガポールのメインストリートであるオーチャード通り沿いだったので、 地図とにらめっこしながら何とか降りる場所が見つけられた。

初夏のニュージーランドから着いたばかりなので、 じめじめした暑さが応える。 いろいろあって二日間家へ電話できなかったので、 外の公衆電話でニュージーランドでのドタバタを話す。 時差が1時間しかないので話しやすい。

ホテルへ戻る途中、何人ものポン引きに声をかけられる。 日本語で「若い子いるよ。見るだけならタダ」を繰り返している。 似たような顔をしているのに、やはり見ただけで日本人とわかるのだろうか。

機内であまり眠れなかったので、ビールだけ飲んで早めに寝る。

本日の支出(NZ$1 = 約61円, SP$1 = 約68円):

土産 NZ$ 97.10
タクシー NZ$ 21.00
空港税 NZ$ 25.00
ホテル予約金 SP$ 10.00
バス SP$ 2.00
ビールとつまみ SP$ 6.20


10/29(月) シンガポール観光→帰国

朝、ホテルに荷物を預けて、外へ出かける。 ショッピングには興味ないので、 今日はフードコートを回って食べ歩くことにしている。 ニュージーランドで医者夫妻に「これは旨い」というものを ガイドブックにチェックしてもらったので、それを全て制覇せねば。

laksa.jpg(8192 byte) まずは、一番のお勧めだったLaksaを探す。 ホテル近くの雑居ビルの地下にフードコートがあったので行ってみると、 小さな店が一軒だけ開いていて、おじさんが3人ほど朝食を食べていた。 カウンターの上にLaksaの写真があったので、それを注文。

(写真を撮らなかったので、右の写真はとあるホームページより拝借)

ココナッツミルクをベースにした辛いつゆそばである。 真っ赤なスープはビリビリ辛いが、濃厚な味だ。 魚介でダシを取った辛みそラーメンのよう。 底のほうにアサリが入っていて、これがうまい。 スープを吸った油揚げもうまい。

一緒に頼んだBarley white drinkという飲み物は意味不明。 ココナッツミルクのような白くて甘い液体に、 麦がふやけたようなものが入っていた。

hokkien.jpg(13202 byte) 次のお勧めは、Hokkien Prawn Mee(福建風海老入り焼きそば、右の写真)と、 Fried Kuay Teow(甘辛いタレで炒めた焼きそば)。 探したのだがピッタリのものは見つからず、 両方を合わせたようなFried Fukkien Meeというのがあったので頼んでみる。 場所は、日本にもよくあるショッピングセンター地下のフードコート。

味は屋台の焼きそばをうどんで作ったような感じ。 フワフワの卵が入っているのがうまい。

朝から立て続けに食べたので、おなかいっぱい。 食べるのは少し休憩して散歩することにする。 Orchard Road沿いに歩いているので、ショッピングセンターがいっぱいある。 中をブラブラしていると、洋服屋とかカメラ屋とかが並んでいる並びに インド料理屋があって、お昼時とあってOLさんが廊下に並んだテーブルの ところで手でカレーを食べている。ちょっと不思議な光景。

Orchard Roadを右に折れてScott's Roadへ入ると、急に静かになった。 人口密度は多いはずなのだが、車の道路も歩道も広々と作ってある。 木もいっぱい植えられていて、歩いていて気持ちが良い。 Scott's Roadの突き当りがNewton Circus。 13年前にNewton Hawker Centre(屋台街)に一度来たことがあるが、 なんとなく覚えていた。ここは夜に混むところなのだろうか。 昼間はあまり人がいなかった。

1029-01.jpg(51554 byte) Newton Circusから東の方へてくてく歩いてゆくと、Little Indiaに到着。 ここにもTekka Centreという屋台街があり、 当然ながらカレーのにおいが立ち込めていた。 食べてみたい気もしたが、医者夫婦のお勧めに入っていなかったので省略。

1029-02.jpg(50240 byte) Little Indiaは、Orchard Roadとは違った意味でにぎやかな町だった。

少し先のBugis Villageというところに西友 があったので入ってみた。日本風のフードコートがあっておもしろい。 吉野家、たこ焼き屋、焼き鳥屋、ラーメン屋、それから、いわゆる定食屋。 吉野家は牛丼だけでなく、Salmon Boul, Teriyaki Chiken Boulなどの 別メニューもあった(今は日本の吉野家にもいろいろあるが)。

散歩して腹に空きができてきたので、 近くのHawker CentreでFish Porridge(粥)を頼む。 塩味が良い具合に効いていてうまい。 これでSP$2とは安い(一緒に頼んだビールの方が高かった)。 朝からいきなり辛いものなんか食べずに、これを朝食にすればよかった。

1029-03.jpg(54659 byte) 次はArab Streetへ。きれいなモスクがあったので中に入ってみる。 広い礼拝堂で10人くらいがめいめいにお祈りをしている。 異教徒はそこへは入れないので、まわりの廊下から見学。

1029-04.jpg(45373 byte) murtabak.jpg(15068 byte) Arab Streetでは、Murutabaを食べてみる。 ナンの生地に卵やマトンを混ぜてお好み焼き風にしたもので、 カレーにつけて食べる。お腹は減ってなかったが、 とてもうまくてペロリと食べてしまった。 ビールがすごく飲みたくなる食べ物なのだが、 Arab Streetだけあって残念ながらアルコールは置いてなかった。

ちなみに、食べるときに使うのはなぜかスプーンとフォーク。 ニュージーランドからの機内で、隣のアジア人がスプーンと フォークを使って食べているのを見て、「不思議な食べ方するなぁ」 と思ったのだが、シンガポールでは普通のことなのかも。

laksa-noodle.jpg(22415 byte) さすがにもう何も腹に入らなくなった。 食べ歩きツアーは4品を以って終了。 ホテルへ戻って荷物を受け取り、バスで空港へ。 空港ではLaksaのカップヌードルを見つけたのでお土産に2つ購入。

帰りの便もすいていた。朝6時頃、雨の成田空港へ到着した。

本日の支出(SP$1 = 約68円):

ホテル残金 SP$ 103.20
Laksa SP$ 3.00
Barley white drink SP$ 0.80
Fried Fukkien Mee SP$ 3.80
ライムジュース SP$ 1.50
Fish Porridge SP$ 2.00
Tiger Beer SP$ 5.40
Murutaba SP$ 2.50 (?)
Coke SP$ 1.00
バス SP$ 1.50
飲み物 SP$ 2.20
土産 SP$ 48.50

<おわり>

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